「SNSで頑張って発信してるのに、新規が来ない…」
「フォロワーは増えたのに、売上につながらない…」
そんな悩みを抱える店舗ビジネスの方に、まず知っておいてほしいのは──集客の順番を間違えると、努力が水の泡になるということです。
今回の記事では、「店舗集客はSNSより先にやるべきことがある」という視点から、地域密着型×リピート重視で月商を底上げする8ステップを解説します。ネイルサロンやジム、整体、エステなど、リアル店舗を持つすべての方に役立つ内容です。
SNSより先に仕組みを整える理由
店舗集客で多くの人が最初にやりがちなミス──それは、いきなりSNSに注力してしまうことです。
もちろん、SNSで集客ができれば理想的です。しかし現実には、フォロワーを増やすにも投稿を継続するにも手間と時間がかかり、成果が出るのは一部の中上級者のみ。初心者にとってSNS集客は、難易度の高い戦場です。
そこで重要なのが、「まずは地域における認知と接点を最大化する」こと。
SNSよりも先にやるべきは、店舗のファサード(外観)やポスティング、Googleマップ対策(MEO)、ホームページ対策などの“仕組みづくり”です。これは資産として積み上がり、時間が経つほどに効率が上がります。
LTVが伸びれば集客コストは半分になる
また、ビジネスにおいて集客が重要なのは誰もが知るところですが、意外と知られていないのが「集客には公式がある」という事実です。
その公式とは、
集客 = リピート率 × 新規顧客数
つまり、リピート率が低いまま新規ばかりを追いかけても、ビジネスは安定しません。逆に、ライフタイムバリュー(LTV)=顧客の生涯価値が高まれば、広告費やSNSの投稿時間を削減しても売上を維持できるようになります。
たとえば、LTVが安定していれば、宣伝しなくても人が集まる“行列店”のような状態をつくることも可能です。
ビジネスにおいて集客は最も大事な要因のひとつですが、その集客が効率よく売上につながる仕組みを作っていきましょう!
前置きはこのくらいで、このあと紹介する8ステップを実践することで、あなたの店舗も“地域で選ばれる存在”へと進化していきます。では、順番に解説していきます。
STEP1.オフライン即効3施策

オンラインが注目されがちな今だからこそ、オフライン集客が効く時代です。中でもすぐに成果が出やすいのが、ポスティング・ファサード(店頭外観)・看板など、地域に“見える”施策です。
ポスティング
まずはポスティング。
多くの店舗が「チラシは効果ない」と思い込んでいますが、実は地域密着型のビジネスにとって、直接的な接触が得られる最強ツールです。
実際、私のクライアントの中でも、ポスティングだけで2ヶ月間に140人以上の新規客を獲得した事例があります。ポイントは、ただ配るのではなく「捨てられないチラシ」にすること。興味を引くコピーと限定オファーの両面チラシで反応率は倍以上に上がります。
ファサード(店頭外観)
次はファサード、つまり店の外観です。
毎日多くの人が前を通っているのに、“見られていない”お店は非常に多い。人は、興味がない情報は視界に入っていても“見えていない”のです。
過去に私が飲食店を運営していた際、ファサードに1枚の看板を出しただけで、人気商品が生まれ、テレビ取材を受けるまでになった経験があります。
重要なのは、目に留まるコピー。気になる言葉で“立ち止まりたくなる仕掛け”を作ること。最近では、ChatGPTなどでコピー案をAIに考えさせる方法も有効です。
店頭オファー
最後に店頭オファー。
たとえば、外に置く看板にQRコード付き看板や、チラシや登録特典を提示することで、「気になるけど入りにくい」お客様の心理的ハードルを下げられます。
「この店、なんか気になるんだけど、中はどうなってるんだろう?」
こんな思いを持ったことはありませんか?そんな時に、内観を見れるようなホームページへと誘導するQRコードがあれば、お客さんに自然と行動を促すキッカケになります。
また、「まずはLINE登録だけでも」という導線をつくることで、いきなり来店ではなく情報接触→信頼構築→来店というステップも可能になります。
私たちは失敗をしたくない生き物。だからこそ、あなたの店舗を選ばせるための失敗しない要因を伝えることが大事です。
STEP2.Googleビジネスプロフィール(MEO)攻略

店舗ビジネスにおいて、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)への登録と最適化は必須です。
特に地域ビジネスにとっては、「近くの◯◯」で検索された際に表示されるかどうかが来店数に直結します。
まず取り組むべきは、NAP情報(店名・住所・電話番号)の統一と、カテゴリ・営業時間などの基本項目の設定です。これが乱れていると、表示順位に悪影響が出ます。
投稿パターンを作り、週2本で上位表示を狙う
Googleビジネスプロフィールは、ただ情報を載せるだけでは不十分。
定期的な投稿(写真・オファー・イベント)を行うことで、Googleからの評価が上がり、上位表示に繋がります。
投稿のパターンとしては
- 新メニュー紹介
- 来店キャンペーン告知
- お客様の声・事例紹介
この3種類を週2回程度更新するのが理想です。
ホームページ・Hot Pepperへの導線設計
ただし、Googleマップには写真や紹介文の制限があるため、ブランディングや集客のすべてを完結させるのは困難です。
そこで必要なのが、Googleマップからの導線。
たとえば、ネイルサロンや美容室の場合、ブランディング要素の強いホームページや予約ポータル(Hot Pepperなど)へ誘導する流れを設計しましょう。
「Googleで見た」→「HPや予約ページで雰囲気や料金を確認」→「安心して来店予約」
このステップを自然に組み込むことで、集客率が大きく改善します。
STEP3.予約ポータル活用|Hot Pepper Beautyは“美容系ほぼ必須”
次に、予約ポータル(集客媒体)の活用についてです。中でも代表的なのが「Hot Pepper Beauty」。
特に美容室・ネイル・アイラッシュサロンなどの美容系店舗では、ほぼ必須の媒体となっています。
多くのユーザーがHot Pepperを“まず見る媒体”として認識しているため、掲載することで来店ハードルが下がります。確かに「安さ重視の客層」が流入するリスクもありますが、初回集客のステップとしては非常に有効です。
ただし、治療院や整体院のように“悩み深い”ジャンルの場合は、Hot Pepperの優先度は低め。
この場合は、ホームページで信頼を獲得し、LINEやメルマガでの教育導線が重要になります。
クーポン設計:来店→LINE登録→自社予約へ誘導
Hot Pepperを使う場合でも、リピート獲得までを見越した設計が必要です。
- 初回クーポンで来店
- 施術後にLINE登録を促す
- 次回以降はLINEから自社予約へ
という導線をしっかり構築すれば、「Hot Pepper依存」から脱却し、広告費ゼロでのリピート獲得が可能になります。
ただし、Hot Pepperのサロンボードはかなり優秀なので、そのまま利用するのも全然ありです。
Hot Pepper × GMB 口コミ連動の裏ワザ
Hot Pepperで口コミを増やすことは、検索順位にも関わる重要ポイントです。
さらに一歩進んだ活用としては、Googleビジネスプロフィール(GMB)と連携させることで、相互に信頼性を補強するテクニックもあります。
具体的には、Hot Pepperの口コミをGMBにも転載・引用したり、QRコード経由でGoogleレビューを書いてもらう施策などです。
STEP4.ホームページ戦略|リスト取りLP型が最短ルート

多くの店舗オーナーが「とりあえず作った」ホームページ──
それでは銀行口座の開設には使えても、集客には使えません。制作会社に丸投げして、当たり障りのないテンプレデザインが納品されても、集客には繋がらないのが現実です。
今必要なのは、お客様の悩みを明確に解決するホームページ。
そのためには、最初に目に入るヒーローセクションに、
- 「どんな悩みを解決できるのか」
- 「来店で得られるベネフィット」
- 「行動を促す導線(CTA)」
をしっかりと設計する必要があります。
FAQブログでロングテールを刈り取る
さらに、よくある質問や悩みに答えるブログ記事を併設することで、検索流入(SEO)も強化されます。
「○○市 肩こり改善」など、ロングテールキーワードでの自然検索を取りこぼさず、信頼を積み重ねることが可能です。
SNSでは伝えきれないサービスへのこだわり、代表の想い、ブランディング要素を盛り込む場としても、ホームページは機能します。
見込み客リストを最大限に活かす!
ただ情報を載せるだけのサイトでは意味がありません。
“顧客リスト”が取れる構造こそが、ホームページ戦略の本質です。
具体的には、
- 無料特典(プレゼント)を提供
- LINE登録で受け取れるようにする
- ステップ配信(7通など)で信頼構築
- 来店予約や商品購入へ誘導
という「集客→教育→販売」の仕組みが理想です。
このあたりの戦略に関しては、扱うビジネスによって異なるので、プロに相談するのもありです。
弊社でもホームページ制作を請け負っていますので、ご興味のある方は下記記事よりどうぞ。

STEP5.SNSは“仕組みが整った後”に着手せよ
ここまで、リピート戦略・Googleマップ・ホームページ導線など集客の“土台”を整える4ステップを解説してきました。そして、ようやくSNSの出番です。
現在のSNS運用は、かつてのように“何となく投稿すれば伸びる”時代ではありません。
投稿のクオリティ・戦略性・反応の分析までが求められる、非常に高度な集客チャネルです。
特に店舗ビジネスでは、「全国に発信しても意味がない」ケースも多いため、地域密着型の悩みにフォーカスした発信が必要です。
月2時間でSNSを量産する
悩みを言語化するのが難しいという方は、まずホームページのブログ機能で文章を蓄積することをおすすめします。
その中から、SNS向けに使える一文や内容をAIで要約・変換し、5通り、10通りと発信パターンを作ることが可能です。
たとえば、
- ホームページに「お悩み別ブログ記事」を投稿
- そこから抜粋した内容をX・Instagram・LINEに展開
- AIでキャプションやハッシュタグ、画像案も自動生成
という流れを組めば、月2時間の作業でも十分なSNS更新が可能になります。
重要なのは、無駄なフォロワーではなく「見込み客」と繋がること。数字より“質”を重視したSNS設計を意識しましょう。
とはいえ、SNSを無理にやらなくても、ビジネスモデルと4つのSTEPを駆使すれば、行列のできる人気店ができるはずです。
事例:新規オープン2か月で黒字化。予約が取れないパーソナルジムの仕組み

ここまでのSTEPを実践した、クライアントさんの事例をお話します。
パーソナルジムと聞くと、今の時代、
「市場はもう飽和状態で、これ以上新規参入は厳しいんじゃないか」
そんなイメージを持たれる方も多いと思います。
でも、実際に私がサポートしたクライアントの事例では、
マーケティング知識ゼロで新規オープンしたジムが、わずか2か月で黒字化しました。
しかも今や、予約の取れないジムにまで成長しています。
ポイントは、SNSに頼らなかったことです。
正直、ほとんどSNS集客はしていません。
(今は少しずつ発信を始めていますが、それでもメインではありません。)
やったのは、次の4つのシンプルなステップです。
- ポスティングで地元の見込み客に直接アプローチ
チラシを工夫し、興味を引くキャッチコピーで認知を広げました。 - ファサード(店舗外観)のオファーを強化
通りがかりの方の目に留まるよう、店頭でしっかりと強みを打ち出しました。 - Googleビジネスプロフィールを徹底的に充実させた
検索されたときに、「ここは信頼できそうだな」と思ってもらえる情報設計をしました。 - ホームページをLP型(予約につながる導線設計)にした
予約ポータルはあえて使わず、自社サイト内で完結できるLP型のシンプルな流れにしました。
これだけです。
派手な広告も、大規模なSNS運用もしていません。
結果、地域にしっかり根ざした、予約が埋まるパーソナルジムが出来上がりました。
「SNSや広告に頼らないと集客できないのでは…」と不安な方こそ、
ぜひこうした基本の仕組みを、まず一度やってみてください。
シンプルですが、効果の出る導線設計は必ずあります。
まとめ|導線設計がすべて
店舗ビジネスにおいても、オンラインビジネスと同様に、まず大切なのは集客から販売までの“導線設計”です。
この流れが整っていない状態でSNSを始めても、反応が薄くなり、時間だけが失われてしまいます。
重要なのは、「自分のお客様は、どこにいて、何に悩んでいるのか?」を考え抜き、その悩みに沿って集客施策を打っていくこと。
SNSは、最後で構いません。まずは、地域密着の強力な仕組みから始めてみてください。
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